ホワイトニング 烏丸活用術と生活の知恵

経済学部を出た連中が経済新聞の記者になったときなにをやるか?景気循環論だけである。 景気循環すなわち波、波動である。
設備投資と業況判断による景気のサイクル説明である。 ずっとそれできた。
日本の景気(経済)はこの通年間ちっともよくならなかった。 なぜ景気が悪いのか、唯一答えられるのは、その前に景気が良かったからだ。
なぜ景気が良くなるのか。 景気があまりに悪すぎたからだと。
たったそれだけのことであって、それ以上のことを言える経済学者もエコノミストも存在しない。 つまり波なのである。

人間の世は、波で循環(サイクル)しているのである。 私は、年来、金融・経済を書いてきたが、そろそろ預言者になろうと思う。
占い師や呪い師になることし」同じである。 なぜ占い師や呪い師が世の中で大切かというと、金融や経済の先読みというのは、どうしても近未来予測であり、まさしく占いだからである。
自信を持って近未来予測(占い)ができない経済学者やエコノミストは滅べばいい。 私は〃経営コンサルタントの神様″のF井幸雄先生とお付き合い、そういうことがよく分かるようになった。
近未来予測である占い師、呪い師の能力と才能を持たないような者は、これからはもう金融・経済の本は書けないのだ。 このことがはっきりしてきた。
経済学、とはなにか?やはり、近未来予測学である。 厳密な社会科学のふりをしても、それらの理論と分析を動員してこれから2年後、5年後の日本がどうなるかを指し示せないのなら何の役にもたたない。
経済学の理論やモデルだけでは有効性を持たない。 彼ら自身がよく分かっている。
私もよく分かっている。 ゆえに占い師、すなわち近未来予測を明確に述べて、当てることのできる言論人だけが生き残っていく。
日本の投資家と資産家、企業経営者たちを守るために迫り来る危機に向かって書かなければいけないことを私はこの本で纏々書いていく。 金融の本でいちばん大事なことは、近い将来の景気(経済の動き)を予測して確実に当てるこれからの金利(お金の値段)と為替の動き(ドルと円。

あるいはユーロレ」円、その他の主要通貨との交換の値段)、通貨供給三里(マネーサプライ)、株式、債券(国債)の市場の動き、金と、石油の値段の動きをはっきりと書くことである。 日本国内の資金量の動き(マネーサプライ)を書くことがB番目である。
マネーサプライ(狭義の通貨供給量)といわれているものがある。 広義流動性(ベース・マネー)の動きとは違う。
日本のマネーサプライは約700兆円、広義流動性は倍の1400兆円ある。 この資金量をアメリカ政府の命令で、どうも日本国内と国外で流通する17個2種類の資金に作りかえられている。
ここで金融政策(マネタリー・ポリシー)における大きなイカサマが行われ務省)と日銀の八百長のせいで日本円はおもちゃにされている。 株式の相場のことばかり気にして、一喜一憂して株式投資で儲けよう、と考えてばかりいるのは、目先のことしか考えない愚かな人間のすることだ。
私は「資産防衛」という考え方1しかお教えできない。 資産家の皆さんにとっては、自分が親の代から受け継いだ大事な一族の資産と資金を、どう守るかがいちばん大事である。
目先の金儲けに走る人間は、もう私の読者になってくれなくていい。 株式市場で、株がこれからどう動くかを書くことも大事である。
日本の株価は現状のまま1万7000円台前後で推移するだろう。 大きく前後に動くことは、これからもない。
日経平均2万円まで行きそうにみえるがいかない。 それよりも債券市場、その中心である日本国債の値段がこれからどうなるか。
こっちの方が重要である。 「5年物の指標の普通国債」で今の130円前後から動かない。
国債は長期金利に連動しているから現在の長期金利の年利率1.7%から1.9%前後にじわじわと上がり始めている。 国債が下落すればそれはすなわち長期金利の上昇である。

長期金利が年率2.5%を超えるようになると、アメリカの財務長官がまた飛んできて、日本の政治家のトップたちや日銀の幹部たちをどなりつけるだろう。 日本の金利がはね上がることをアメリカはものすごく嫌う。
アメリカの現在の政策金利(政府誘導金利)であるFFレートは、年率17%である。 1年前は4.5%ぐらいであった。
ベンジャミン・バーナンキFRB議長は6.0%までなんとしても上げたい。 将来迫りくる大不況に備えて「金利という武器」を手元に握りしめておきたい。
アメリカの現状が許さなくなっている。 FFレート(短期金利で、政策誘導するための金利)は、すでにFOMCで8回もすえおかれた。
金利を上げるに上げられないのである。 その理由は、アメリカで〃住宅バブルの崩壊″が始まったからだ。
私は、5年前から日本でいちばん早くアメリカの住宅バブル問題を書いてきた。 ファニーメイとフレディマックという日本の住宅金融公庫と同じような政府系金融機関の焦げ付きが激しくなっている。
このファニーメイとフレディマックの債券(住宅抵当証券のようなもの)を中国が山ほど買っている。 日本の1980年代末の〃狂乱地価〃に似たアメリカの土地バブル(過剰流動性によるインフレ経済)というバブル・エコノミーが終わろうとしている。
アメリカでも、マイカー通勤で2時間もかかるところに無理をして住宅ローンで家を買った連中がたくさんいる。 この層のサラリーマンたちが、ローンが払えなくなってどんどん住宅を手放している。
毎月のローンが払えなくなって返済が滞ると、アメリカの銀行は容赦なく差し押さえる。 「サブプライム・ローン」と呼ばれる住宅金融専門会社(日本のかつての住専とよく似た高利貸し)の年率17%とかの高金利に手を出していた人々から干上がり始めている(本書P191の「アメリカのFFレートの表」を必ず参照のこと)。

この動きはこれから1年以上続く。 いまのアメリカのインフレ経済(バブル・エコノミー)を押さえ込んで冷やそうとして、FRBは政策金利(FFレート)をあともう少し上げたいのである。
が、上げられない。 逆にいまの年率17%を17%ずつ続けて2回、今年の終わりまでに引き下げようという動きまで出てきた。
それも簡単にはできない。 政策金利(短期金利)を引き下げたら、またしても住宅バブルが再燃するからだ。
低金利に住宅ローンを更に借り換えて、なんとか生きのびようとする「ミニ投資家」たちがいる。 既に土地・株式・投機で大損をしている者たちもいるのに顕在化しない。
バーナンキがFFレートを6%までは上げておきたいのは、過熱が続いている金融投機化したアメリカ経済を今のうちに引き締めたいからである。 この動きも無理である。
数年後に迫っている大恐慌(大デフレ)が恐いのだが、目先のインフレ(過熱する景気)も恐い。 土地インフレ(住宅バブル)を止めるために金利を上げたいのだが、上げると今度は、不景気(リセッション)に突入しそうで恐いのである。
だから17%で立ち往生している。 ベン・バーナンキ議長が本心でいちばん怖いのは、インフレのあと一気にデフレ突入で、不景気がアメリカに押し寄せることである。
本当に怖いのは目先の過熱したインフレ経済を金利の上昇で収敏させる過程でどうしても起きてしまう大不況突入のシナリオである。 世界恐慌につながるだろう。


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